北海道オフロードTouring'92 12日目





8/22/1992 西海岸は夕陽を追いかけて・・・

[中富良野〜留萌〜銭函]


# 28 今日は楽し逆ドリカムツーリング(^_^)

昨夜が早かったこともあって, 6時には目が醒めて,農作業の彼と初めて挨拶する。
朝食は少し遅めの7時くらいで,まわりは昨夜かなり遅くまで賑やかにやってたらしく なかなか起きてこない。
この日も計画はないので,広間に行ってのんびり地図など見ていたんですが, 考えてみたら土曜日ということで,すでに年休は終わって,2日後の午前9時には職場に復帰して いなければいけない・・・
“どこまで函館に近付くか・・・?”とぼんやり考えていると, 群馬2人組の登場。
話によると,昨夜は女子の部屋まで届くくらいのイビキで寝ていたそうです(^_^;)。
あと,タージンさんはあれからノリまくったということで,8時過ぎても起きてくる気配がありません(^_^;)
彼女達も明日は小樽から出航なんですが,今日の予定は特にないということで,
“小樽までいけば,函館午後2時は楽勝だろう”という読みから,昨日のノリも手伝って,
銭函の「小さな旅の博物館」という,旅の終わりには都合にいい宿を紹介して, 彼女達と2日目のグループツーリングを進めることになりました(^_^;)
ルートのほうは,昨日は一日のんびり走ったので,すっきり長い距離を走りましょうと, 旭川まで道々で出て,深川まで幹線道路のR.12, 留萌まで R.233, 留萌〜小樽間は海沿いのR.231 という, なかなかバライティーにとんだ 240kmほどの道のり。
(独断っぽいながらも,オンがいるからダートは避けて, 沼田というと山の中だから海岸道路を走って・・・と, 気配りもあったのでした(^_^;)
私も海岸道路は行ったことなかったので, いちど走ってみるのもいいなーと思っていたということで・・・)

宿を出発したのは10時過ぎ。天気は昨日に引き続きまずまずの晴れ具合 (なぜか,出発直前に軽くパラッときたりしましたが・・・(^_^;))
昨日のひまわり畑を見ながら, 旭川に向かう道々を進んでいると,まわり道の看板があって, 矢印の通りに進んでいると, ダートになってどんどん山のほうに向かっていく・・・
こういうときはグループの先頭は疲れますね。ソロだと
“えーい, なるようになるわい!!”と気楽に行けるんですけどね(^_^;)
そんな事情で現場のおじさんに声をかけると, どうも別のまわり道の矢印だったらしく, 旭川行きのまわり道はまだ先とのこと・・・
照れ笑いしながら来た道を戻ろうとすると, 畑のあいだの見晴らしのいいダートで, 向こうからトラックが走ってくる。狭い道なので左側にバイクを寄せて, やり過ごそうとしたら, 後ろから“キャッ!!”という声。
・・・と後ろの阿左見さんがバイクごと, 道から下の畑に転がり落ちている!!
“えらいことになった・・・”と, 頭が白くなって, 急いでスタンドを左に出して止めようとすると茂みの下は傾斜になっていて, BAJAもついでに茂みに落としてしまいました。
こうなると, トラックの運ちゃんも“大丈夫かや?”と降りてきてくれたわけですが, バイクは茂みに横倒しになってるだけで,阿左見さんは畑の麦わらのクッションの上に落ちたらしく, 畑に座って笑っている・・・
いやー,運がよかったんでしょうね(^_^;)
4人がかりで VT とBAJAを引き上げ, トラックが去っていった後, ほっとひと息のタバコとなったのでした(^_^;)
(教訓その6:ダートの茂みにゃ ご用心)

そんなことがあって,まわり道のダートに入ってからは“慎重に行きましょう”という空気にあって, 30km/hくらいで流すという, すごいのんびりモードとなりました。
しかし,さすが美瑛の近辺で景色は抜群で, ダートもまあまあ走りやすい部類で“昨日一日ゆっくりしてなかったら, バイクを止めて, 騒いでただろうなあ・・・”という風景の目白押しで, 特に川沿いのダートはいい雰囲気が出ていました(^_^;)
(まあ,ここは後で思い起こせばよかったなあ・・・  というところで,ダートが終わってまわり道を抜けたときは,ホッとしたいうのが本音でしたけどね(^_^;))

旭川市内に入って,富良野からの R.237と合流してからは, 淡々とした道のりです。 しかし旭川市街での信号の多さは, 町の交通事情の悪さということで, 嫌でしたね。
R.12 は流れこそしっかりしてるもののすごい交通量で, 北海道でもこんなところがあるんだなあ・・・という感じ (札幌は別格ですから,近寄らないように計画を立てます)。
そんな道も, 深川市内に入ったら, だいぶのんびりしてきて, 途中北竜(Hokuryuu)町で2人組はメロンを土産に買ったりで,ペースもよくなってくる。
そんなうちに“昼は,昨日のノリで,海に出てから適当な場所を捜して食べましょう”となって, 北竜のセブンイレブンで買い出しをしたんですが,留萌どころか増毛(Mashike)までコンビニはあって, 事情は道東とはだいぶ違うようです。

# 29 西海岸は夕陽を追いかけて・・・

留萌の市街地は素通りして,増毛の北海道ローカルコンビニ「セイコーチェーン」で またまたビールを買い込んで(しかし,悪い3人組だなあ・・・(^_^;)), 増毛市街から少し走った暑寒という海水浴場の近くの浜で食事となったのでした(^_^;)
なぜか増毛というところはずいぶん温かいところで (ニシンで栄えた頃から,増毛は緯度のわりには温かかったそうです), 3人ともTシャツになって,今が夏ということを再確認したり・・・
そんな事情もあって,ビールは相変わらず美味く, あてのシシャモの子の燻製も美味かったのですが,なぜか3人ともあんまり食欲がない。
“同じ行動を続けていると,食欲まで同じになってくるらしいねー”と笑って, 海を見ながら,カモメやカラスの鳴き声をぼんやりきいていたのでした(^_^;)

増毛から雄冬(Ofuyu)を経て,浜益(Hamamasu)へ向かう道は, 長い間なくて, 雄冬という集落は, ずっと船を交通手段としていたという文字通りの陸の孤島。
どんなものか興味がありました。
道のほうは新しくできただけのことあって, しっかりした2車線道で, 長いトンネルがあったりで,交通量はまばらながら国道の名には恥じないだけのものがあります。
しかし,お昼時でだいぶ時間を費やしたこともあって(増毛を出たのが3時半くらいだったかな?), 太陽が海に映って,水面が金色に輝いたりで, 風景は昨日の丘とはまた違ういい雰囲気を出している・・・
そんなうちに雄冬に到着。特に陸の孤島のあとという感じではなくて, どこでもありそうな海沿いの小集落。さすがに走る分には肌寒いので,上を着て, 「とば」という,タラやらサケやらの燻製を土産に買うと, 2人組も私の倍くらい燻製の土産を買ったのでした(^_^;)
彼女達はタコの燻製という,妙なものを買っていましたが,美味しかったのかな?

雄冬から銭函まで約 100km, 時間は4時半。
“ちょうど海岸線で夕陽が見えるかな?”と,あくまで気楽な3人組は, 70km/h通しという健全な走りで, 浜益から厚田と南に走って行くのでした。
だいたい右手には海があって, 雲がかかっているものの, 切れ間からすごい広がりの金色が続いて, 夕陽片手のツーリングいう感じ。
下は雲が切れているから, どのあたりで太陽が顔を出すかいうのは興味深いところだったのですが, 運よく海岸最後の厚田村望来(Bourai)というところを川沿いに海に向かう途中で, 逆光に回りの景色が光と影だけになって, 昨日に引き続きすごく印象深い夕陽を 今度は砂浜で見る運びとなったのでした(^_^;)

望来から宿までは 30km ということで, ライトに問題のある MTXを真ん中において, 3台あまり距離を置かないで走りました。
札幌郊外は石狩新港あたりでしっかり夜に突入してから, VTはアッパーライトとなって, 私は前にコンテナなんかが走っているときは, コンテナにうつる自分の影に笑っていたりしました(^_^;)

# 30 「ちいたび」は,旅の終わりにサイコーの宿(^_^)

銭函「小さな旅の博物館(ちいたび)」に着いたのは,午後7時15分。
ぎりぎり食事前に間にあって(途中で連絡したから,待っていてくれたのかも?), 着いてすぐ,荷物を置くと夕食となったのでした(^_^;)
「いもやら」「ちいたび」と,あまり食事は印象に残ってないんですが, この夜はカニのだしのきいたミソ汁がやたら美味かったです(^_^;)
私は3年前にもこの宿には来たことがあったのですが, そのときは屈斜路湖から約600km というなかなかの強行軍で, ジンギスカンは美味かったけど, 夜はすぐ寝てしまったので遅くまで賑やかという この宿のアルコールタイムは今回が初めてです。

宿は, スタッフが4人お客さんは男15人に女4人ほどで,「赤い屋根」以来の人数です。
宿主の「わんわん」さんの進行で,賑やかに自己紹介なんかが始まって, ニックネームと小さい頃に集めていたものを紹介するいう, ちょっとユースっぽいノリ(わんわんさんは斜里ユースの名物ヘルパーさんだったそうだ)ながら, テーブルにはしっかり5Lの焼酎「ビックマン」と,差し入れの日本酒が並んでいる。
(これがどういうわけか,私と高山さんの真ん前にあって, 回りに“どうですか?”と気を使いながらも,どんどん飲むには都合がよかったり・・・(^_^;))
ニックネームでは,私は「ヘヤネコ」と,昨日から2人組に言われ続けている「デンカ」いうのを 紹介したんですが,「デンカ」は却下されて(^_^;)「ヘヤネコ」となって, 高山(キミエ)さんは名前から「おきみ」さん, 阿左見さんは“アザミ嬢といえば・・・”「ララバイ」さんとなりました (「エロ本」さんとか,すごいネームをいただいていた人もいまして, まずはましな部類といえましょう(^_^;))

悪ノリっぽい自己紹介が1時間がかりで終わって(結構楽しいんだけど,疲れるものもあったなあ・・・), 続いてスタッフがギターを持って, 歌本がみんなのもとに回って, シングアウトという, 70s のノリの賑やかなひとときが始まりました(^_^;)
阿左見さんは0時くらいに部屋に戻って,その時点で広間には15人くらいだったかな?
わんわんさんが左隣,高山さんが右隣という好ポジションに恵まれて(^_^;)
北海道の大地といえば・・・「大空と大地のなかで」(松山千春)
苫小牧発といえば・・・ 「落陽」(吉田拓郎)
アンティークなメロディーは,こういう機会にみんなで歌うにはいいもので, ラストの「今日の日はさようなら」(森山良子)では,高山さんの横顔をちらっと見て, 2日間楽しくグループで走れたことに感謝したりしました(^_^;)
歌が終わってからも,わんわんさんなんかと,旅人昨今の話なんか続けていたのですが, かなりお酒も回ってきて,明日の朝が早いという事情もあって,高山さんと一緒に場を離れたのは, 夜もどっぷり更けた,午前2時のことでした(^_^;)




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