「廃村千選」 〜 群馬県

「廃村千選」 〜 群馬県



群馬県嬬恋村の廃村 小串(おぐし)の御地蔵尊です(平成18年7月)。




・編者が確認した群馬県の「学校跡を有する廃村・高度過疎集落」(学校の所在は昭和34年以降)は9か所です(廃村8か所,高度過疎集落1か所)。なお,桐生市(旧栃木県田沼町)入飛駒今倉は,栃木県のリストで扱っています。

・群馬県(旧国名(大部)は上野)の人口は約194万人(R.2)。「廃校廃村」は営林集落が3か所,鉱山関係が5か所,農山村(ダム関係)が1か所とはっきりわかれます。
・鉱山関係の廃校廃村は,草津町白根鉱山,嬬恋村石津鉱山・吾妻鉱山・小串(以上硫黄鉱山),六合村元山の5集落で,すべて草津温泉にほど近い標高の高い山中にあります。
・小串は,標高1600mという高所に広がる最盛期(昭和30年代)人口 約1,500人の鉱山街でしたが,昭和46年の閉山とともに無住の地となりました。

・群馬県には4校の冬季分校がありましたが,冬季分校関係の廃村は見当たりません。なお,関東1都6県で冬季分校が開校されていたのは群馬県のみです。
・群馬県にはへき地5級地が2か所ありました(上野村本谷,利根村平滝)。いずれも営林事業関係の集落でしたが,ともに昭和30年代後半に無住の地となりました。
・ダム関係の廃校廃村として,六合村品木があります。品木ダムは,草津白根山に由来する酸性河川の中和事業を目的に昭和40年に作られました。また,水上町の八木沢ダムは関東最大規模ですが,八木沢ダムに係わる廃村は見当たりません。
・群馬県で最も歴史が古い廃村の学校は,利根村東小学校平滝分校で,明治42年開校,昭和14年閉校,昭和31年再開校,昭和39年再閉校,開校期間は39年です。
・利根村倉見の分校(根利小学校倉見分校)は,昭和31年1月16日開校,昭和35年8月1日閉校です。この開校期間(4年7か月)は,「廃村千選」の千校中,最短級です。

  集落名 学校名 自治体名 へき地
等級
児童数 閉校年 (特記)
産業・離村時期

1
(Hontani)☆
本谷
上野西小学校本谷分校 多野郡上野村 5級 14名 昭和38年 (高崎営林署)
営林・S.38年

2
(Shirane-kouzan)
白根鉱山
草津小学校白根分校 吾妻郡草津町 1級 55名 昭和39年 (白根鉱山・硫黄)
鉱山・S.46年頃

3
(Ishidu-kouzan)
石津鉱山
石津小学校 吾妻郡嬬恋村 3級 119名 昭和46年 (石津鉱山・硫黄)
鉱山・S.46年

4
(Agatsuma-kouzan)
吾妻鉱山
吾妻小学校 吾妻郡嬬恋村 2級 187名 昭和46年* (吾妻鉱山・硫黄)
鉱山・S.46年

5
(Ogushi)
小串
小串小学校 吾妻郡嬬恋村 4級 223名 昭和46年* (小串鉱山・硫黄)
鉱山・S.46年

*6
(Shinaki)
品木
入山小学校品木分校 (中之条町)
吾妻郡六合村
2級 12名 昭和40年 (品木ダム)
農山村・−

7
(Motoyama)☆
元山
入山小学校元山分校 (中之条町)
吾妻郡六合村
3級 64名 (H.10)
平成 4年
(群馬鉄山・鉄)
鉱山・S.40年

8
(Kurami)
倉見
根利小学校倉見分校 (沼田市)
利根郡利根村
3級 20名 昭和35年* (沼田営林署)
営林・S.35年

9
(Hirataki)
平滝
(平川小学校平滝分校)
東小学校平滝分校
(沼田市)
利根郡利根村
5級 19名 昭和39年* (企業事業所)
営林・S.39年



群馬県嬬恋村の廃村 石津鉱山(Ishizu-kouzan)に残っていた祠です(平成18年 4月)。



(注1) 「廃村千選」とは,編者が確認した全国の「学校跡を有する廃村・高度過疎集落」約1100か所のことをいいます。また,「廃校廃村」とは,「学校跡を有する廃村・高度過疎集落」を略した呼称です。

(注2) 「廃村千選」における廃村(集落跡)は住民がいない集落(1戸程度が残るもの,冬季無人集落を含む),高度過疎集落は5戸以下程度(冬季分校所在地は3戸以下程度)の集落(番号欄*印付き)です。

(注3) 「廃村千選」における学校は,昭和34年4月以降の小学校とその分校,冬季分校,夏季分校です(昭和34年3月以前に閉校した学校は含みません)。

(注4) ◎は編者が訪ねたことがある廃校廃村です。

(注5) ☆は中学校が集落内にあった廃校廃村です(併設校,分校,冬季分校を含む。昭和34年3月以前に閉校した学校は含みません)。

(注6) 学校名,へき地等級,児童数のデータは,昭和34年4月現在のものです。( )書きは閉校当時の名称です。

(注7) 閉校年は,原則「全国学校総覧」により1年ごとの所在を比較して調べたものです。再開されなかった休校は閉校と同一に扱っています。( )書きは休校を経た閉校年です。また,*印付きの閉校年は年度途中(4〜12月)の閉校です。

(注8) 離村時期欄,xx年は,文献等に記された閉村年です。

(注9) 市町村名は,説明文が平成13年4月現在(平成の大合併直前),リストが昭和34年4月現在,リスト内( )書きが平成29年4月現在です。

(注10) 集落名(読み)へのリンクは「村影弥太郎の集落紀行」Web(管理者村影弥太郎さん)の力添えをいただいています。

(注11) 令和元年以降に生じた廃村は,原則追求していません。

(注12) お気付きの点があればお知らせいだけると幸いです。



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